月と潜水艇
夜中、街灯の少ない道路をドライブをしている時、まばらに配置された街灯が夜の空に溶け込んで、星空に包みこまれるような感覚があった。 星空の中を鉄の塊に乗り込んで進んでいく様は、宇宙船に乗り込んで宇宙空間を遊泳する様と重なり、海岸に辿り着いた時には私は月面に着陸した宇宙飛行士のような気分になっていた。 私たちがいつも見ている月は、自転と公転の同期により、いつも同じ面を地球に向けていて裏側を肉眼で観測することは困難だ。 月面に着陸した気でいた私は、その裏側を見てみたいと月を探査するように、その海岸の探査を始めた。